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金融機関が融資をしたが、元本または利息の返済が滞っている債権を不良債権という。 2001年3月末現在、日本の銀行で抱えている不良債権はお兆円で、-兆円以上も増加している。
バブルがはじけた見年度から2000年度までの9年間でη兆円もの不良債権を処理しているのに、なかなかすっきりしない。 2001年4月からは約日兆円もの公的資金(つまりわれわれ国民の税金)を使って、不良債権の最終処理をするつもりだったが、うまくはいかなかった。
ちなみに、不良債権の処理方法は2種類ある。 まず、返却されなかった金額をあらかじめ用意していく方法で、間接処理といわれるが、融資先の経営状況が悪化すれば追加で穴埋め金(貸し倒れ引当金という)が必要となる。
もうひとつが返却の見込みがない債権を銀行の資産からそっくり消し去ってしまう方法で、これが不良債権の最終処理といわれるものだ。 銀行の査定の甘さがより悪い結果を招いてしまう銀行は貸し倒れの危険性が高い順に「破たん先債権」「実質破たん先債権」「破たん騒念先債権」「要管理債権」に分け、貸倒引当金を用意する。
政府が望んだ不良債権の最終処理は、破たん懸念先債権を含めて実質破たん先債権、破たん先債権を銀行の資産から切り離せというものだった。 ところがここに大きな落とし穴があった。

銀行の査定が大甘だったのだ。 たとえば2001年9月に民事再生法-を申請して破たんした大手スーパー、マイカルをほとんどの銀行は要管理債権より甘い「回収に注意する貸出先(要注意貸出先)」と査定。
積んでいた引当金はこげついた金額のわずか3%だった。 経営が悪化し、自己資本不足に悩む銀行が、あえて甘い査定をしたのではと見る向きもある。
要注意貸出先にはいくつかの大手流通、建設、商社などが含まれている。 景気悪化が続けば、要注意貸出先がマイカルのように破たんする可能性はおおいにある。
また、不良債権の最終処理をする段階で、行き詰まっている融資先に銀行は清算を求めるので、会社は倒産し、失業率は上がるだろう。 日本経済の膿のようなものとはいえ、不良債権の最終処理問題の根は想像している以上に安とつだ。
物価が下がるのは消費者にとっては歓迎できることだ。 物価が下がれば私たちの財布のひもはゆるみ、買い物量は増え、買い手が増えれば物価は上がり、企業は生産量を増やす。
ところが、物価が下がっても買い物量が増えず、買い物量が増えないから、企業は買ってもらいたくてますます値段を下げる。 こうして物価が下がる状態をデフレという。
買い物量が減る上に値段も下がると、当然もうけが少なくなる。 ものが売れないから生産量は減る。
そこで働いている人のお給料も下がる。 給料が下がるだけならまだいいが、ものが売れずに企業がつぶれてしまったら当然職にあぶれた人々が世に出ることとなる。
職がなければ(たとえ蓄えがあったとしても)これからの生活が不安でものは買わないだろう。 また、実際に会社が倒産して失業した人だけでなく、周囲で給料が減ったり失業したりということが頻繁に起きていると、不安感から人はますますものを買わなくなる。
売れないからまたまた企業は生産量を減らす。 そんな悪循環が起きれば、経済は萎縮し、らせん(スパイラル)を描くように悪化していく。

これをデフレスパイラルと呼ぶ。 今日本は、このデフレスパイラルの危機にさらされている(すでにデフレスパイラル状態持つという人もいる)。
空前の好景気だったバブル時代に企業は必要以上に人を雇い設備投資をした。 人員や設備が過剰なら、企業は投資や採用を抑えざるを得ず、結果的に雇用不安に陥った人々はものを買わなくなる。
バブル時代に必要なものはほとんどそろえてしまったから、切実に欲しいものがないという見方もある。 くわえて、価格破壊の波がさまざまな産業を直撃。
ライバル会社が値段を下げれば、赤字覚悟で対抗するしか道はない。 価格を下げても収益をあげるためにリストラも必要となる。
ますます雇用不安は広がり、人々の財布のひもはかたくなる。 そんな悪循環のなかに、日本は今あるのだ。
安く買えるからと喜んでばかりいられない理由今までの常識から考えると驚くほどものの価格が下がっている。 価格破壊とは、この商品ならこの程度の価格という「常識」がくつがえされ破壊されることで、その影響は計り知れない。
買う側から見れば安い価格で品質のよいものが購入できる価格破壊は歓迎されるべきことだが、見方を変えれば売る人は買う人でもある。 ディスカウントショップの進出でテレピや冷蔵庫が売れなくなって困っている電気屋の店主が、喜んでユニクロのフリ−スを着ているという構図はめずらしくない。

同じ商店街には暇で暇でしょうがなく、店じまいを考えている洋品店があるというのだ。 そもそもディスカウントショップや100円ショップはどうして価格をあんなに安くできるのか?たとえば、全国展開する100円ショップ「ダイソ−」は信じられないほどの量を一度に発注することによって大幅なコストダウンをはかった。
ユニクロは人件費の安い中国に生産工場を置き、そこで作ったものを逆輸入するという形をとっている。 ディスカウントショップは、生産地から直接仕入れたり、流通経路を大幅に簡素化したりすることでものの価格を安くした。
価格破壊で売り上げを伸ばす企業のすごいところは、値段だけで勝負していないことだ。 もともと若者向けというイメージが強かったユニクロが、中高年層にも受け入れられるようになった一因として、股下が短いおじさん向けに、丈の短いチノパンを豊富に取りそろえたことがある。
100円ショップも、地域の特色を捉えつつ、主婦が多い地域には台所用品や子ども用品を、女子高生、女子大生が多い地域は化粧品の品揃えを厚くするなど、商品構成を変えている。 一方で、従来型の商店街やデパートは転換期を迎えている。
ふつうのものをふつうの値段で売っていても客は来ない。 それがわかっていても、資金力のない小さな商店は価格で勝負することはなかなか難しい。
万人に向けた品揃えが身上のデパートがすぐに個性的な商品を買い付けられるかといえばそれも大変だ。 価格が安くなったと喜んでばかりもいられないのだ。
最近できたマンションで売れているのは、一等地にある億単位の超高級物件と、コストを思い切り下げた破格な値段の物件だという。 100円ショップやユニクロが大流行しているのを横目に、グッチやヴィトン、エルメスなど高級ブランド品は順調に売り上げを伸ばしている。
こうした「高額商品」と「賢女でお買い得な商品」のふたつに売れ筋がしぼられることを消費のニ極化という。 一億総中流階級といわれた日本では、そこの品質でそこの価格のものが消費におけるもっとも大きなボリュームゾ−ンだった。
総理府による調査で自分を「中流」だと思っている人は相変わらず多いものの「中の上」「中の中」と考える層は減り、「中の下」と感じている人が増えている。 「安くてしかも品質がよいものを探して買う」傾向が高まっているのだ。

消費の二極化に加えて、消費者側の二極化も進んでいる。 バブル時代に小金を蓄えそこの資産を持つ高齢者層と収入を自分の好きに使える若者や独身女性が高級品消費の主役。
一方、リストラにおびえ、子どもの教育費や住宅ロ−ンにあえぐ中堅層は、少しでも生活費を切りつめようとお買い得品に向かう。

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